「仕事の本質を見極め、成果が出る点に集中し、 それ以外の部分は力を抜く」 これだけである。 言い換えれば、お馴染みの「選択と集中」である。 しかしなかなか実践できない。 言葉だけが独り歩きしていて、 具体的な行動の規範に …
人生は物語だ。
現象ではない。
自分の人生は語ることでしか表現できないし
他人が見た自分の人生もまた彼らのフィルタを通して語られる。
歴史もまた物語だ。
historyにはstoryが入っている。昔からそうだったのだ。
自分の人生を一部始終記録していたか?
自分のフィルタを通さず事実のみを抽出できたか?
自分の人生を思い出す時、記憶の断片を拾って、あるいは捏造して、物語にしているということだ。
ということはだ。
自分の人生はたやすく変えられると言うことだ。
自分の思ったとおり、変えられるのだ。
ジャズの深海の中で 斜めに傾けたウイスキー。 ベースの響く重低音は重力の心地よさを感じさせる。 ピアノの無邪気な軽快さは身体を切なく微笑ませる。 此の下にじんわりと根をはりつつ、順々に熱を伝えている。 黒いカーテンが世界 …
今日はあるイベントの取材のため一日外出していた。 帰りの電車に揺られている。 帰宅時間に重なり、車内は混んでいた。 乗客の顔には疲労の跡が見える。 おおよそ携帯を手にするか、目をつむっているかどちらかに分けられるようだ。 …
「何か考え事かな」 人の心、感情、意識の揺らぎというものは 幾ら無表情な人でも不意に出てきてしまうものだ。 とくに鏡花は物事に対する観察力や洞察力に長けていた。 変化を見逃さない。違和感を見逃さない。 生徒である新木文香 …
「こんにちは!ええと・・・」 話したい。けど、上手く話せない。 口から言葉が出てこない。何を話せばいいんだろう? こんな経験ありませんか? 会話って何気ない事だと思いますが、 とっても難しいものです。 でも授業で習ったり …
AO――― 何かが起きている。この身の周りで青にまつわる何かが。 考えるには何かが足りない。いや何もかも足りてはいないか。 もどかしさが募る。 パソコンを開き、自分の運営サイトのメールボックスを見てみる。 「AOはご存知 …
AOの会、当日。 青草は紺色のシャツにグレーの軽いジャケット、デニムパンツといった 落ち着いたフォーマルな恰好で出向いた。 緊張はあまりしないタイプだと思っていた。 しかし、服を購入し何を話そうかとあれこれ準備をして い …
禁煙、禁煙!と声高に叫ばれる昨今。 私は煙草を吸っていた身なので、喫煙者をとやかく言うことはしない。 喫煙できる場所がどんどん少なくなり(数年前は電車のホームで吸えた)、 少々気の毒かなと思っているくらいである。 だから …
「私の弟はいつも家にいます」 駒津という男が口を開く。 「四六時中。ずっと寝ているらしい。 本人は鬱ではない、と言っている。病院にはまだ行っていない。 弟のやる気を出してあげたいんだが、どうすればいいんでしょう」 「やる …
会は和やかに進んだ。 日常生活を送るうえで少し気になっていること、 或いは悩んでいること、 迷っていること等を皆に発表し解決策を探る。 他人に聞いてもらうという方法が、気持ちを楽にさせる というのは広く知られているところ …
「そう言えば君はどうよ調子は?作品を書いているかい?」 「えぇ、つまらないものばかり書いています」 「そうか、つまらないか。 まぁ君のつまらないものは、私にとってはつまるものだろうから、 是非今度見せてくれ」 「お見せで …
とあるカフェバー。2階の窓際の席に二人は座った。 窓から下を覗くと小さな川が見える。 時刻は18時。川の傍に立ち並ぶ電灯が点き始める。 ぼやけた柔らかな明かりが小川に映り、ゆらゆら揺れる。 街が少しずつ大人の顔を見せ、お …